深刻な人手不足が悩み
日本の高齢者人口の割合は世界的に見ても高い水準にあります。総務省の行った国勢調査と国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来人口推計では高齢者の人口は今後も増え続けると予想されています。
日本の人口は2010年をピークに減少の一途を辿っていますが、高齢者の人口は増していく一方です。具体的な数字で見てみましょう。
75歳以上の高齢者の人口は、2010年は1,419万人でしたが15年後の2025年には2,179万人と約1.5倍になると考えられています。高齢者の人口がピークを迎えるのは2042年。約3,878万人まで増加するといわれています。その後、徐々に減少していきますが、総人口が2010年の3分の2まで減少するといわれている2060年になっても75歳以上の高齢者は2,300万人を超えると推測されています。
75歳以上の高齢者が増えるとどうなるでしょうか?医療と介護を必要とする人がこれまで以上に増えることが予想できますよね。
実際、高齢者の増加に伴い、介護サービスを利用する人の数は増えています。厚生労働省の介護保険事業状況報告によると、2000年の4月に介護サービスを利用していた人は施設サービスが52万人、居宅サービスが97万人でしたが、2012年の4月には施設サービスが65%増の86万人、居宅サービスが238%増の328万人と大幅にアップしていました。数字を見る限り、高齢者の増加と介護サービスの需要は比例しているといえるでしょう。
需要が高まっているということは成長が期待できる、ということでもあります。介護士は将来性に満ちた職業だといえますね。
高齢者が増加し介護サービスを必要とする人が増えている一方で、サービスを提供する介護士が不足しているという問題もあります。厚生労働省の「介護サービス施設・事業所調査」や「医療・介護に係る長期推計」によると、2000年の介護士の数は55万人でしたが15年後の2015年には183万人まで増えています。数字だけを見ると需要に供給が追いついているように感じますよね。ですが、団塊の世代が後期高齢者となる2025年は高齢者の数も一気に増加するため、このままのペースでは必要な人数を確保できないと予想されています。試算では2025年までに必要な介護士の数は約250万人。2000年の5倍の人数が必要になります。
そのため、介護業界に興味がある人は経験・未経験を問わず歓迎される傾向があります。数年前までは介護士に対してネガティブなイメージがついていましたが、今は「日本に欠かせない職業」として広く認知されています。職場の環境や待遇面も働きやすいように整えられているので「やってみよう」という気持ちがあるならぜひチャレンジしてみてください!