気持ちが挫けてしまうこともある
高齢化社会を迎えた現在、介護士に大きな期待が寄せられていますが、介護士だからこそ感じる苦しみやつらさもあるんです。実際、「転職をしたものの、苦しみやつらさを大きく感じてしまい働くのに疲れてしまった」という人もいます。ですが、転職前に心構えをしておけば実際にそのような場面に出会っても乗り越えられるはずです。本格的に働きはじめる前にどのような点に苦しみやつらさを感じるのかを知っておきましょう。
介護士の仕事の1つに身体介護があります。身体介護では利用者の全身を支える動作も多く、予想以上に体力を消耗します。介護ロボットのようなサポートしてくれる道具もありますが、負担がすべてなくなるわけではありません。また、汚物を扱う排泄介助も介護士の重要な仕事ですし、集団で行動しているため「集団感染」といった病気リスクもあります。「きつい」「きたない」「きけん」を感じる場面が多いため、慣れないうちは心が折れてしまいやすいんです。
仕事内容に給料が見合っていないと感じる人も少なくありません。これは資格の有無や働き方によって手当がつかない場合もあるからです。介護士の平均月収を調査したデータによると、無資格の平均月収は約19万円、介護職員初任者研修取得者の平均月収は約21万円、介護福祉士の平均月収は約24万円でした。
サラリーマンの平均月収は20代前半で20万円以上、30代は30万円以上といわれています。比べると介護士の方が少ないように感じませんか?高収入を期待する人には介護士は難しいかもしれませんね。政府も待遇改善に向けて動いてはいますが、すぐに反映されるわけではありません。給料に関してはあまり期待しすぎない方がいいでしょう。
人材不足で1人ひとりに多くの負担がかかっていることもあり、毎日のように残業になる施設もあります。「定時で帰れるなんていつ以来?」と思うこともしばしば。また、入居型の施設は24時間365日体制なので休日もシフト制です。土日に休めるとは限りません。
残業ばかりの毎日、変動する休日。そんな日が続いていると「時間に追われて余裕がない!」と感じてしまうようです。慣れてくると自分なりに時間のやりくりもできるようになりますが、それまでは少し大変かもしれませんね。
介護士は人間を相手にする仕事です。同僚や上司、他の職種の人たち、利用者やその家族とコミュニケーションを取りながら仕事をしていますが、中には意見の合わない人もいますし、理不尽なクレームを受けることもあります。その都度受け入れているとストレスが溜まってしまい心の健康にも影響を及ぼしてしまいますよ。